第56回午前6 ― 認知症
80 歳の女性。77 歳頃から物忘れが目立ち始め、今では歩行時のつまずきやすさ、書字の震えがある。日によって程度は異なるものの、自宅のテレビや窓、棚のガラス戸など、光沢のあるところに知らない人が映って見えるようになった。「テレビに知らない人の顔が見える」「変なおじいさんが裸でいる」などと家族に訴え、ガラス戸に向かって怒鳴る様子もみられた。家族と物忘れ外来を受診した。PET では頭頂葉から後頭葉の一部に糖代謝の低下が認められた。
作業療法士から家族へのアドバイスとして適切なのはどれか。
- 部屋を薄暗くする。
- テレビの音を大きくする。
- 移動の際には車椅子を使用させる。
- 興奮したときはきっぱりと幻覚であることを伝える。
- 見えている内容を否定しないで気持ちを受け止める。
答え:5
- ただでさえパーキンソンニズムの影響で転けやすい上に視覚認知も弱っているだろうになぜ難しくする?明るくしなよ。ってことで×。
- なぜ?w耳悪いわけでもないのに。ってことで×。
- そりゃ転倒リスク高いだろうけどまだ歩けてるんだから環境調整してリスク減らそうよ。ってことで×。
- 対象者にとっては本当に見えてるんだから混乱するわ。ってことで×。
- 正解。
歩行のつまづきやすさ+書字の震え=パーキンソンニズム
日によって異なる=日内変動
人が映って見えるようになった=幻視
ってことでレビー小体型認知症のケース。
こういう問題は自分がそういう状況になったとして、どうしてほしいか、と考えたらだいたい解ける。
実際に現場で幻視の訴えはあまり聞かないな~。
認知症病棟に上がるときってグループ活動やってるときくらいだから。
視えてんのかな?って行動してる方はいるけどね。
床のシミずっと触ってるとか。