第54回午前13 ― 認知症
76歳の男性。誰もいないのに「自分の布団に知らない子どもが寝ている」と訴え、妻に連れられて受診した。妻の話では、数年前から些細な物忘れが増え、日中ぼう然としていることも多いという。歩行中に転倒することも増えてきているという。
作業療法室でみられるこの患者の特徴はどれか。
- 些細なことで泣き出す。
- 他人の物を勝手に持っていこうとする。
- 時間どおりに来室し必ず同じ席に座る。
- わからない質問に対し言い繕って答える。
- 日によって意識レベルの低下度合いが異なる。
答え:5
- 感情失禁は脳血管性認知症で著明、これよりも優先される選択肢あるから×。
- 前頭側頭型っぽいかな?これよりも優先される選択肢あるから×。
- 前頭側頭型の常同行動かな。ってことで×。
- アルツハイマー型か?これよりも優先される選択肢あるから×。
- 正解。レビー小体型は覚醒レベルの変動は特徴的。
(小川敬之(編)ほか:認知症の作業療法ーソーシャルインクルージョンをめざしてー.第2版,p72,医歯薬出版株式会社,2016)
誰もいないのに「知らない子どもが…」=幻視、呆然としている=意識レベルの日内変動、転倒=パーキンソンニズム。
ってことでレビー正体型認知症のケース。
正直選択肢の行動や様子はないことはないんやけどね。
どれが一番重要か、ってのがポイント。
第55回午後96 ― 認知症
認知症患者に対して行われるのはどれか。2つ選べ。
答え:1・5
- 正解。リラックスできる音楽をかけることで不安を和らげたり、懐かしい歌ったり。
- 室内で一人で自己洞察するような療法。認知症では難しいかな。ってことで×。
- 不安・恐怖に打ち勝てることを目的にする療法。一人で何もないところに入れられることもあるから余計不安になるだろな、ってことで×。
- これも自分と向き合うやつ。対象が神経症性障害。思い浮かんだことを自由に言うのは難しいかな、ってことで×。
- 正解。見当識維持のために日時伝えるやつ。
(小川敬之(編)ほか:認知症の作業療法ーソーシャルインクルージョンをめざしてー.第2版,p93-97,医歯薬出版株式会社,2016)
(奈良勲(監)ほか:標準理学療法学・作業療法学専門分野精神医学.第3版,p239-243,株式会社医学書院,2014.)
答えのやつはよくやるね。
音楽療法は合唱が多いけど、聞いてゆっくりしたいって方もいるしね。
第55回午後49 ― 認知症
Alzheimer型認知症で正しいのはどれか。
- まだら認知症の特徴を示す。
- 症状の経過は階段状の増悪を示す。
- 認知症症状は老人斑の形成より遅れて出現する。
- 神経原線維変化はタウ蛋白の細胞外沈着により起こる。
- 現在では認知症治療薬を使用することで根本的治療も望める。
答え:3
- 脳血管性認知症の症状、ってことで×。
- 関わり方や薬剤調整でちょっと良くなることもあるかな、ってことで×。
- 正解。数年前から老人斑とかタウ蛋白出現してるって言われてるよね。
- 細胞内かな、ってことで×。
- まだ無理、ってことで×。軽度認知症なら薬で改善することもあるみたいだけどね。
(小川敬之(編)ほか:認知症の作業療法ーソーシャルインクルージョンをめざしてー.第2版,p59-64,医歯薬出版株式会社,2016)
第55回午後43 ― 認知症
Alzheimer型認知症の進行度を ADL 障害の程度から評価するのはどれか。
- Behave-AD
- DASC-21
- MoCA-J
- FAST
- MMSE
答え:4
- 認知症症状・異常行動の重症度評価尺度だから×。周囲からの観察評価でできるやつ。
- 地域で生活する方の認知機能障害と生活機能障害を評価するやつだから×。正式名称は「地域包括ケアシステムにおける認知症アセスメントシート」。
- 軽度認知障害の評価尺度だから×。
- 正解。観察評価でできるやつ。
- 認知障害の評価尺度だから×。
(石川齋(編)ほか:図解作業療法技術ガイド.第3版,p470,株式会社文光堂,2015.)
(小川敬之(編)ほか:認知症の作業療法ーソーシャルインクルージョンをめざしてー.第2版,p137,p166,医歯薬出版株式会社,2016)
FASTは現場で1回だけ見た覚えあるかどうかくらいのレベルやな。
定番はやっぱりHDS-RとMMSE。
1回だけMoCA-J見たことある。
あとはねえな。
第55回午前94 ― 認知症
早期の前頭側頭型認知症でみられないのはどれか。
- 幻 視
- 常同行動
- 病識低下
- 自発性低下
- 社会的対人行動の障害
答え:1
- 末期だったら可能性あるけど初期ならない、ってことで〇。レビーならね。
- あるから×。同じ行動ずっと繰り返しちゃう。
- あるから×。
- あるから×。
- あるから×。一番特徴的だよね。
(小川敬之(編)ほか:認知症の作業療法ーソーシャルインクルージョンをめざしてー.第2版,p67-68,医歯薬出版株式会社,2016)
今まで何人か見てきたことあるけど、症状結構色々あるから「この人もそうなんや」って印象があるかな。
活動に全く参加しないけど場にはたまにいる方とか。
人のこと操作して揉めさせる方とか。
奥が深い。
第55回午前43 ― 認知症
認知症患者とのコミュニケーション上の配慮で最も適切なのはどれか。
- にぎやかな環境で話す。
- 指示は詳細なものにする。
- 身振り手振りは使わない。
- 沈黙した場合は話題を変える。
- 話題は本人と関係のあるものにする。
答え:5
- 注意選択難しい人おるのに気が散るわ、ってことで×。
- 言葉多すぎて混乱する、逆に端的に言った方がいい。ってことで×。
- むしろ身振り手振りの方が分かりやすくて伝わるときある、ってことで×。
- 別に沈黙してもいいと思うけどな、あまりあれこれ喋っても疲れるだけだし。ってことで×。
- 正解。
(小川敬之(編)ほか:認知症の作業療法ーソーシャルインクルージョンをめざしてー.第2版,p108-113,医歯薬出版株式会社,2016)
正直5も内容選ばないといけないけどね。
直近のエピソードは覚えてないことも多いし、どこまでのエピソードが残ってるかも分からないし。
子どものときくらいのはよく聞くけどなあ。
名前とか年齢聞いても不安にさせることもあるし。
その方がどんな方か掴むまでが難しい。
カルテに載ってりゃ最高。
第55回午前28 ― 認知症
自宅で電話の応対ができないといった認知症症状の進行があり、意思疎通の困難さがあるが、介助者が注意していれば日常生活は自立できている。
認知症高齢者の日常生活自立度判定基準のランクはどれか。
- Ⅱa
- Ⅱb
- Ⅲa
- Ⅲb
- Ⅳ
答え:2
- 迷子になるとかできてたことにミスが目立つレベル、ってことで×。
- 正解。ほか、服薬管理とか留守番とかも難しいレベル。
- 日中にADLに障害出てきたりBPSD出てたりするレベル、ってことで×。
- 夜間にも上記のレベル、ってことで×。
- 意思疎通も困難で常に介護いるレベル、ってことで×。
(小川敬之(編)ほか:認知症の作業療法ーソーシャルインクルージョンをめざしてー.第2版,p144,医歯薬出版株式会社,2016)
最近はこんな問題まで出るようになったんだね。
当時もここまで覚えてなかったような気がする。
今も施設から来た人でたまに情報として載ってるくらいやな。